八幡市教委などによると、袈裟は二領とも、縦約40センチ、横約60−70センチ、戸張は縦約85センチ、横約70センチ。赤や藍(あい)などの絹糸と金糸をぜいたくに使い、唐織の手法でボタンや亀甲の模様を浮かび上がらせている。
1700(元禄13)年、同寺に常法憧地(じょうほうどうち)の寺格が認められたのを記念して、綱吉が当時の住職だった廓翁鉤然(かくおうこうねん)に贈った。袈裟などと同じ布で表装した八幡大菩薩篝火御影(かがりびおんかげ)の掛け軸も見つかった。
戸張には徳川家紋の三葉葵(あおい)の模様が織りこまれ、同寺と徳川家とのゆかりの深さがうかがえる。
袈裟を研究している愛知学院大の川口高風教授(仏教学)が7月、同寺の総本山だった石川県輪島市の祖院に残る古文書に記された袈裟の図柄などを基に調査し、確認した。
川口教授は「徳川将軍家が贈った袈裟が見つかったのは初めてで、仏教研究の貴重な資料」と話している。24、25日に同寺で一般公開する。入場無料。 (京都新聞より)

徳川綱吉

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